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「臨床の学び舎おんせいげんご」の学びや教育関連のブログサイトです。養成校の学生さんや臨床のSTさんがちょっと踏み込んで聞きたい話題について書きこんでいます。

言語聴覚士国家試験 第8回問題83について

古田

この問題、きれいな解説は対数計算が必要でしょうか?解説をお願いできませんか?

 


西岡

第8回問題83ですか・・・

確かに本来は対数計算が必要ですが、dBSPLではなくdBILでの対数計算が必要になり、ちょっと頭がこんがらがるとおもしろくないので、とりあえずは対数計算なしで解く方法をお伝えいたします。

音の強さと音圧レベルの関係は、音の強さが10倍になると音圧レベルが+10dBという関係性があります。(「言語聴覚士の音響学入門」p.39に記載)。

 


 問題文は「音の強さ」を10倍なので、40dBSPL+10dBSPL=50dBSPLとなります。なので、この問題は1000Hzの「40dBSPL」と「50dBSPL」の間での大きさの関係についてSoneで求めているんだなとなります。ソーン尺度はSTテキストの『聴覚心理学』の項に載っております以下のグラフのことです。

 

 

ソーン尺度は10phon上昇するごとに音の大きさが2倍になるという法則があります。

そこで、1000Hzの40dBSPLと50dBSPLはPhonだとどうなるのか?となります。そこで等ラウドネス曲線を思い出します。

 


小野測器様のHPより引用。

 

これも実はわかりやすい数値なんです。1000Hzの40dBSPLは40Phonで、1000Hzの50dBSPLは50phonのことなんです。それを踏まえて、前掲のSoneのグラフの40Phonと50Phonのところをみれば40phonに対して50Phonは2ソーンの関係だとわかる。

そして、答えは約2倍の2ソーンとなるわけです。いかがでしょう??

 


古田

いやぁ、ありがとうございます。この問題は等ラウドネス曲線やPhonとSoneの関係の基本を知っていれば解ける問題なんですね。確かに。ただ問題文だけからこのグラフの記憶までたどり着けるかどうか…( ;∀;) わかれば簡単、わからないと難問って感じですね。

そしてね、この「音圧」と「強さ」って存在とか、それらの関係とか・・・う~ん、そのあたりを計算式で理解したい学生さんもいらっしゃいますよね。ただ私はもホント苦手とするところで・・・( ;∀;)

 

西岡
それはそれは(^^)
個人的には面白いところですが、なかなか苦手な印象を持つ方が多いですね。う~ん、とはいえWordやBlogの形式での計算式の説明もなかなか…。

 


西岡&古田
では、その辺りについて「西岡&古田の対談」形式で語りましょう!

下段のようなラジオ番組みたいなYouTube動画を企画しますので、「臨床の学び舎おんせいげんご」のYouTube Channelにて近日公開ということで。